「ヤバくね!?」
「マジめっちゃ綺麗っ!」
男子の盛り上がり方はハンパない。
あからさまに声を張り上げる男子に、女の子たちは面白くなさそうな顔をしていた。
だけど。
あたしも男子と一緒になって、そんな彼女に見惚れてしまった。
「じゃあ挨拶して」
成瀬先生が促すと
「聖華(セイカ)女学院から編入して参りました、広瀬紗衣(ヒロセ サエ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
彼女は緊張した様子もなく、凛とした表情で、折り目正しい挨拶をした。
「「「……?」」」
普段耳にすることのない、丁寧な言葉遣い。
どこのお嬢様なんだろうという振舞いに、ざわついていた男子も無駄口をピタリとやめた。
「聖華女学院だって!」
「なんかワケあり!?」
そして今度はその情報を元に、蜂の巣をつついたような騒ぎに発展した。
「なんでっ!?」
凛ちゃんも例外じゃなかった。
かなりビックリした顔をして一緒に騒ぐ。