「……知ってるよ」 そしてすぐに顔を戻し、汗で濡れたTシャツを乱暴に脱いだ。 別に。 もう陸上で、トップになろうだなんて…… 「短距離やってて楽しいか?」 「……」 「チラチラ向こうばっか見てるくせに」 「……」 「短距離なんてやってるタマじゃないだろ」 「……」 「……本当は、もう跳べんだろ」