「これ見たら、耀太のヤツうずうずして、明日には退院出来るくらい復活すんじゃない?」

「ふふっ。耀くんならあり得ますね」

「あっ。それよりも、まひろちゃんがチューでもした方が早いかっ」

「せんぱっ……!?」


相変わらずな千夏先輩。


灼熱地獄のグラウンドで、あたしの体温は更に上昇した。


いい加減、慣れなきゃ……。

いちいちドキドキして顔を赤くしてたら、あたしの体が持たないよ……。



「まあどっちでもいいから、耀太を元気づけて来てよ!」

「はいっ!ありがとうございますっ!」



駆け出そうとして、もう一度振り返った。



「千夏先輩!」

「ん?どした?」



千夏先輩はまだこっちを見ていた。



「あたし、頑張ります!」

「え?」

「頑張りますから!」



誰かに宣言したかったんだ。

耀くんのこと。


こんな風に誰かを好きになるなんて、初めてなの。



耀くんを好きになって


一生懸命になってる今のあたし、結構好きだから。


頑張ってる耀くんに負けないように


あたしももっともっと頑張るんだ。


好きになってもらえるように

頑張るんだ。