きみに、好きと言える日まで。



「アイツらほんっと血も涙もねーな。覚えとけっつーの……とっとっと……」



たまにぐらりと傾く体。



「大丈夫!?」



あたしより、はるかに身長も高くて重い耀くんの手助けをするのは容易じゃない。


それでも山登りの時のお返しと思って、一生懸命頑張ったけど……。



「まひが潰れるだろ?」



……あたしが支えてもらう始末。

これじゃあ、助けてるのか邪魔してるのか分かんない。



「……っしょ……っ」



一歩一歩踏み出す耀くんを見守る。


……頑張って。



「耀くん、がん……」



声に出そうとして途中でやめた。


額に滲む汗を見て。




……耀くんは、頑張ってる。



頑張ってる人に頑張って、なんて、これ以上の頑張りを強要するようで避けて来た。

でもやっぱりエールを送らなくちゃ、いても経ってもいられなくて思わず出そうになった。


それでも、飲み込んだ。