「耀くんはっ、あのっ、耀くんは……!!」
あたしはなりふり構わずおじさんにしがみついた。
だって救命救急センターに運ばれてくるなんて、ただ事とは思えなくて。
「耀くん……っ……」
呼吸が苦しい。
名前ばかり繰り返して、その先が出てこない。
「……ああ。私もさっきまでオペ中でね。これから耀太の所へ行くんだ」
そんなあたしの肩を摩るようにしながら、おじさんも低く声を漏らすだけ。
耀くんがここへ運ばれてるのは二度目。
今度は、自分の息子として。
そんなおじさんの額には汗が滲んでいて、この間の陽気な姿とはまるで違った。
「緑ヶ浜高校の教諭で、本多と言いますが……」
そこへ、緊張した声で本多先生が割って入った。
「……お世話になっています。耀太の父です」
「えっ、八神君のお父さんっ……!?」



