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『アンタ、いい名前だね』
2年に進級した初日。
そんな風に話しかけて来た人がいた。
……耀くんだった。
それが、あたし達の出会い。
いい名前……なんて、あたしはピンとこなかった。
だって"まひろ"っていう名前は、自分でもあんまり好きじゃなかったから。
『そんなこと言われたの初めてです……』
あたしは顔をあげた。
もしかしたら、からかわれているかもしれないし。
少し強気で。
すると、耀くんは驚いた目であたしを見ていた。
え……?
なに?
あたしの顔になにかついてる?
そんな反応に、あたしは驚いた。