……ある記憶が蘇る。
『いい名前してんね……』
あの日のこと。
あたしの名前も同じだったんじゃないかと思った。
だから、聞く。
「あたしの……名前も……?」
本当は、否定して欲しかった……けど。
「……ごめん。あれ、皮肉だった……」
「いい……よ……」
無理して繕った。
……辛そうだったから。
分かる。
仕方がない。
好きすぎたんだよね。
耀くんにとって、ハイジャンが。
「ゴメンな、まひ」
涙が……溢れて来た。
一瞬でもあたしの存在が、耀くんを傷つけていたのなら……。
あたしは悔しいよ……。
「今はそんなこと、全く思ってないから」
「……ん」
そんなあたしの肩を、耀くんはそっと抱いた。