「俺と優飛、半分しか繋がってねぇじゃん。だから親父達も色々考えてくれたんじゃないかな」
横顔を、覗いた。
さっきの話とどんな脈絡があるんだろう……。
そんな勘繰りを持ちながら。
返事を返せてないままだったあたし。
探る様に出した言葉は、本音だった。
「……そうだったんだ。
すごく、ステキだと思う。好きだよ?優飛って名前」
字も音も。
"優しく飛ぶ"
綺麗で真っすぐ。
ハイジャンを愛する耀くんを連想させる名前。
耀くんがつけたと聞いて、余計に共感できた。
「サンキュ……」
真顔だった顔が、ふっと緩む。
「そのころはさ、朝から晩までハイジャンのこと考えてた。みんな女子とかに興味持ち始めてんのに。今考えたらバカかよってくらいに」
当時の自分を思い出しているのか、いつものクシャっとした笑顔になる。
そのころの耀くんにはもう会えないから、あたしも想像して笑った。
好きな女の子、いなかったんだ……。
変な所に安心したりして。



