「なんだよそれー。まあ、優飛も喜んでたし本当助かった」
「あたしでよければいつでも」
「ああ。マジで嫌じゃなかったらいつでも遊びに来て」
「うん。勝手に次の約束もしちゃったし」
耀くんはいなかったけど、結局そんなこと全然問題じゃなかった。
素敵なお母さんやお父さんにも会えたし、来て良かったと心から思う。
「ねえ。日曜日にまで練習って、そんなに陸上部は部活熱心なの？」
テニス部は、土日に部活なんてないから不思議に思って尋ねた。
すると意外な言葉が返ってくる。
「ああ。大会近いからな」
「大会？」
「来週の日曜、地区予選なんだ。
一応……インハイを掛けた。」
「そっか……そんな時期だったんだね」
インターハイなんて、テニス部には関係なさ過ぎてすっかり忘れてたよ……。
大会ってことは、大観衆の中で跳ぶ耀くんが見れるってこと？
じゃあ、あたしも見に行けるのかな……。
期待に胸が躍って頬が緩んだ直後、
「えっ！？じゃあ県大会通過したのっ！？」
地区予選だのインハイだの、すごい言葉が並んでるけど……。
次が地区大会ってことは……。
事態を把握して慌てる。
