「コラッ、待てーっ!」



凛ちゃんはそんなふたりを容赦なく追いかけていく。


ふふっ。
相変わらずだな、凛ちゃん。


男勝りな凛ちゃんは、男友達がものすごく多い。

だからあたしまで便乗して、名前で呼ばれることが多いけど、それにはまだ慣れないんだ。


グラウンドで鬼ごっこ状態になっている3人を笑いながら見ていると、後ろからあたしを呼ぶ声が聞こえた。




「まーひ」



───トクン……ッ。


胸が高鳴った。



「……ッ」



後ろから冷たい手で目隠しをされて

あたしはその場に立ち尽くした。



ドキドキッ……。


更に激しく胸が鳴った。



……この手が、誰のものか知っているから。