教室に入った瞬間、なんとなく不思議な空気を感じた。


3年目ともなれば大抵誰かしら顔見知りだったりするわけで。


大人しく席についているわけでもなく、友達作りに躍起になる必要もない。


そんな中。


教室のちょうど真ん中に位置する席に、ひとり静かに座っている生徒が居た。


不思議な空気、というのは。


……その生徒が一番目立っていたから。


誰が話しかけるわけでもなく、遠巻きに明からに何かをささやかれている彼女は。


あたしのもうひとつの気がかり…………七海さん。