さすがに和希は親父の許可が下りず、屋敷で過ごしている。 『この籠城から出してくれよ!』 なんて、テルに泣きついてるらしいが。 あれだけの傷を負った上に、自分の生い立ちまで全部知り。 監視されるのは仕方ねえ。 ああ見えても、和希はまだ中学生。 葛藤してんのが痛えくらいに分かるんだ。 一変に姉が2人出来たことに戸惑いつつも、俺に遠慮してんのか、優月の前では相変わらずツレない素振りを見せている。 頑として、俺を兄貴だと慕う。 ……正直、ホッとした自分がいた。