この家の広い庭を時々手入れしにくる庭師さん。


Tシャツに短パン。頭には白いタオルを巻いて仕事をする姿にあこがれていた。


全身にお日様を浴びて、いい笑顔で笑ってるから。


お父さんや、この家にいる人たちは。


いつも黒い服を着て、怖い顔をして、夜ゾロゾロと出かけたりする。


そんな雰囲気が怖くてたまらないんだ。


僕は、そうなりたくない。


「テルさんは、将来何になるの?」


「俺か?そうだなー」


テルさんは曖昧に笑ったあと、窓の外を指さし、


「そうだ和希、今日は外で遊ぶか!」