今年の春から中学生になって、制服っていうものを来てるテルさん。


テルさんは僕のお兄ちゃんじゃないけど、小さいころからいつも一緒にいて、もしかしたらお兄ちゃんよりも過ごしている時間は長いかもしれない。


「見せてごらん」


僕の前にしゃがんだテルさんに、プラモデルを見せた。


「うまく出来たなあ!すごいぞ和希!」


テルさんは、笑顔で僕の頭をグリグリと撫でてくれた。


涙も痛みもどこかへ飛んで、僕は得意げに言う。


「これ10分で作ったんだ!」


「和希は器用だからな。将来は車を作る人になるか!」


「うんっ。あ、でも僕、庭師さんもいいと思ってるんだ!」