「……んー………」


まるで嫌がるように再び洩れる寝息。



何度も何度も無防備な寝息洩らしやがって……。


……煽ってんじゃねえよ。


俺が我慢できるとでも……?


……。



俺は優月の唇に自分の唇を押しあててから、体を抱きしめた。



素肌で密着した体。


線の細い優月の体はいまにも壊れてしまいそうだ。


しばらくすると、諦めたようにまた大人しく眠りにつく。


俺の腕の中で安心したように目を閉じる優月は、俺が全力で守りたい唯一の、女。



こんなに安らかな時間を過ごせる日がまた来るなんてな。


俺は優月の体温を感じながら、月を目に映した。