……誰なんだろう。


毎年疑問には思っていたけど、それを探し当てるすべもなく。


ただ、心の中でその人に感謝するだけ。


「ふーん……」


特別興味もなさそうに相槌を打った和希は、柄杓に水をくむと手酌を手に取った。


……お墓参り、したことあるのかな。


初めてだろうから色々教えなきゃと思っていたんだけど、その自然な行為にちょっと面食らう。


「どこ」


「……」


「おい」


「……っ、こ、こっちだよ」


振られて我に返った。


……にしても、相変わらず口が悪いんだから。