"感情を表に出さない"
二宮壱冴から、途端場で養子が変わった引き金にもなった俺の性分は、その後もずっと変わらず。
親父にとっては都合の良かったソレも。
ただ単に冷めたガキだったってことで、周りのウケがいいはずもなく。
屋敷の中では一切逆らうことはなかったが、外ではその済ました顔と態度がムカツクと、かなり反感を買っていた。
それでも、父親は極道の人間。
警察の上層部が時々ご機嫌伺いにくるような、その世界では莫大な影響力を持つ組、柳迅会(リュジンカイ)。
そのトップの息子だという肩書で、周りを黙らせていた。



