LINEをしても既読スルーされるし、電話をしようにも声の出ない私は電話をすることも出来ない。


なんとか蓮司に話し掛けようとしても、部活の忙しい蓮司を放課後に捕まえる事も困難で。


休み時間も他のクラスメイトの輪の中に消えていく蓮司を追いかけて行っても、まるで私の存在なんて皆無の様な態度で目すら合わせてもらえなかった。



(蓮司の……分らず屋)



心の中でそう悪態づいても、切なさは募る一方。


こんな風に気まずい空気であり続けるくらいなら、いっその事謝ってしまおうか……とも思ったけれど、それは自分の心が許せなかった。


だって、それをしてしまえば蓮司があの日言った言葉を肯定することになってしまうから。


先輩の真実を知った今、あの日の蓮司の言葉を受け入れる事も、許す事も出来ない私は結局、今日の今日まで歩み寄る事が出来ずにいたのだ。