「お母さんが生きてた時の事を思い出しちゃって。私もよくお母さんと一緒に作ったなーってさ」
「結月の母さん、死んだのか……」
「……うん。もうすぐ1年かな」
私は返事をすると額に手をあてた。
何か気まずい空気になっちゃったかも……。
「結月は眉間にしわをよせてる事が多いけど、何で?」
「……私、そんな顔してる?」
「それが素の顔かっていうくらいよくしてる」
リツが自分の眉間を指さして言って来たから、私も自分の眉間を指でなぞってしまう。
そんなに険しい顔をしているつもりないんだけどな。
でも、リツの言う通り眉間にしわを寄せてる事が多いっていうのは、くせになっちゃってるんだろうなと思う。
「実はさ、色々と複雑な家庭環境なんだよね、私」
「ああ、そうなんだ?」
「うん。父親が勝手に再婚して、ある日突然知らないおばさんと女の子を連れて来たの」
自分の事を誰かに話すのは初めての事だ。



