……そっか。
黒木さん、そこまで気を遣ってくれてたんだね。
ひねくれた考えを持って悪かったな……。
「とりあえず、教室戻ろうよ」
「うん、そうだね」
恵茉の言葉にうなずき、ふたりで教室に向かって歩き出した。
少しだけ心が晴れた気がした。
「うっわー、それは災難だったなー。女子って怖いんだな」
「ホントそう。自分も女子なんだけどさ」
薄暗くなった公園で、いつものようにリツとジャングルジムにのぼって話していた。
リツを見るなり、愚痴りたくなった昼休みの事。
「しかし、その男も無責任だな。やるなら徹底的にやればいいのに。オレが結月を守る!くらいにさ」
「いい。私、川上君に興味ないし」
「……川上君?」
肩をすくめて言うと、リツが聞き返して来た。
そういえば、川上君の名前言ってなかったっけ。
「モテ男の名前、川上……ナントカ君。下の名前わかんない。それで、成績良し、運動神経良し、スタイル良し、顔良し……の人」
「……なるほどね」
「そういえば、川上君から何かもらったの忘れてた」
隠すようにカバンに突っ込んだ紙袋の存在を忘れていた。



