教室に入る前にカバンにそれを押し込んだ。
少しでも目立たないように……。
「結月、ちょっと来て」
だけどそれはムダな努力で。
昼休みにナオに呼ばれて付いていくと、関わった事のない顔が10人近く並んでいた。
全員が他のクラスの子だったけれど、中にはバスケ部の子もいる。
こんなに川上君の事が好きだっていう子がいるなんてね。
私はたまらず深いため息をついてしまった。
「結月さー、最近、かなり調子に乗ってない?」
「川上君はみんなに優しいんだってわかってる?」
「まさか自分だけが特別とか思ってないよね?」
どこかで聞いたことあるようなセリフがいくつも重なって、うんざりする。
こういう事になるのが嫌だから、川上君とは関わりたくなかったっていうのに。
調子に乗ってないし、川上君がみんなに優しいのかどうか興味ないし、自分だけが特別だなんて思うわけがない。



