この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


「はあ……」


ため息をついて空を見上げる。

こんな事をしていても状況は何も変わらない。

だけど、あの家には1分1秒でも長くいたくはなかった。


「ママーお腹空いた!」

「あらあら。じゃあ、帰って夕飯の準備をしましょうか」

「うん!」


走り回っていた男の子が、お母さんの手を引っ張って訴えた。

お母さんはニコニコと笑って、そう答える。

そしてギュッと手をつないで、公園をあとにした。

他の子も同じようにお母さんと手を繋いで次々と公園を去っていく。


『結月、今日の夕飯は何にしようか?』


ふと、脳裏にお母さんの声が響いて来た。

お母さんと2人でよく買い物に行った。

手を繋ぎながら、マーケットで一緒に夕飯を考えた。

帰ってきて、キッチンで並んで話をしながら夕飯を作って……。