「シカトするとか腹立つんだけど。何余裕ぶってんの?アンタなんかこの家で居場所がないくせに」
「だって余裕だもん。居場所がない事に悲観してないし」
フッと思わず鼻で笑ってしまった。
これ見よがしにお父さんに甘えて可愛がられて、愛情を独り占めしているつもりでも、私は全くうらやましいとも思わない。
だってお父さんなんか最初から空気だし。
この家におばさんとえみりが来た時から、何も望んではいない。
だから何とも思わない。
「えみり、冷めないうちにご飯食べなさい。あ、結月ちゃんの分もちゃんとあるから……」
えみりを呼びに階段を上がって来たおばさん。
私がいる事に気が付いて、慌てて付け足したように言う。
もちろん食べるつもりはないから、無視してさっさと階段をおりて洗面所へと向かった。
一体いつまでこんな息苦しい生活が続くんだろう。



