そのせいで、じわじわと涙がこみあげてきてしまった。
泣くもんかとゴシゴシと目をこする。
「あれ?泣いてんの?オレの言葉に感動したとか?」
「ち、違うし!コンタクトがズレただけだもん」
ニヤニヤと笑うリツに私は怒鳴り返す。
コンタクトが入っているなんてウソなんだけど、そのウソさえリツは見破っているようだった。
「あ、ほら!流れ星」
「えっ?!どこどこ?!」
リツの声に私は慌てて空を見上げる。
スーッと星が一筋こちらに向かって降ってくるように見えた。
「……星が降ってくるみたい」
「そう。流星群の時はたくさん星が降ってくるように見えるはずだ」
「星が降る……」
そんな風に今まで表現した事がなかった。
でも、本当にそう見えたらどんなにステキなんだろう……。
「ここでリツと一緒に見られたらいいな……」
「見られるよ。だから、一緒に見よう。ここで」
私が言うと、リツは笑顔でうなずいた。
星が降る日、どうか晴れますように……。