死んだような目って……。
そりゃ誰だってなるでしょう?
お母さんが亡くなって一年もたたずに、知らない女の人と女の子を連れて来て、今日から一緒に住むって言われたらさ。
しかも、再婚は事後報告って……。
あの時は本当に生きる気力をなくしたけど、この人たちのために死んでも仕方がないかなって思い直したんだよね。
お母さんのところに一刻も早く行きたい気持ちはあったけれど、それじゃあの人たちに負けたみたいで悔しくて。
「出会えてよかったよ。これで結月の支えになってあげられる」
「……え?」
支えになってあげられる……?
そんな細い腕で私なんかを支えられるわけがないのに。
「ありがと。ウソでもその言葉、嬉しいよ」
「ウソじゃないよ。オレはあの日見た結月の瞳を忘れられないんだ。だから、支えになりたい。結月を悲しませるすべての物から守りたい」
リツの声は優しくて、あたたかい。