「何だ……。ちゃんと可愛く笑えるじゃん」
「……え?」
私の頬から手を放して、リツが静かに微笑む。
可愛いなんて初めて言われたから、心臓が反応してドキドキという音をたて始める。
顔も熱くなってきたから、ガラにもなく頬が赤く染まっていたりするかも。
でも今が暗くてよかった。
頬が赤かったとしても、リツには見えていないと思うし。
「……今日は空が綺麗だ」
「えっ?」
空を指さして笑ったリツ。
つられて顔を上げてみると、息が止まるかと思った。
ここで星がこんなに綺麗に見えるなんて初めて知ったから。
こんな所で見るより、もっと高い場所から見た方が良く見えるって思っていたのに。
リツはそれを知っていたから、ジャングルジムの上で見ていたというの?



