公園内で遊んでいる子どもがちょうど帰り始める頃で、何人かが私をチラッと見て去っていく。
ジャングルジムの上にリツがいるというのに、何で誰も上を見ないんだろう。
視界に入らないのかな……。
「ねえ。そこにいて寒くないの?リツ、細いから人より寒さを感じてそうだけど?」
「実はオレ、細マッチョなの。脱ぐとすげーんだけど、見てみる?」
「えっ?!あ、遠慮しておきます……」
リツが上着に手をかけたから、私は慌てて両手を振る。
私の反応を見てアハハと大きな声をあげて笑ったリツ。
もしかしてからかわれた……?
「その顔マジでウケるんだけど。そんな顔になるぞ?」
「何よ。元はと言えばリツがからかうからでしょ」
口をとがらせてリツを睨んでいたら、私の顔を指さして笑った。



