でも昨日、リツと出会った事で少しだけ光が差し込んだような気がしたんだよね。

心が温かくなるような感覚は久しぶり。

お母さんが亡くなってから、あまり心が動かされるような事はなかったし。

さすがに再婚が事後報告だったという事には驚いたけれど。

リツはいつでもいるって言っていたけれど、今日もいてくれるかな?

雨の中いたくらいだから、今日はいるよね。

だって、晴れているから星が良く見えるはずだし。

学校が終わったら行ってみよう。



「藤村さん、おはよう!」

「……おはよう」


昇降口で上靴に履き替えていると声をかけられた。

顔を上げて挨拶を返したけれど、知らない子。

セミロングの髪で、私と同じくらいの背丈で制服はキッチリと着ていた。


「あ、急に声かけちゃってゴメンネ。私、隣のD組の黒木 瑠衣(くろき るい)。昨日、藤村さんが新入部員募集のポスターを見てたって聞いたから、部活探してるのかなって思って声をかけたんだけど」


頬を紅潮させて、目をキラキラさせて話す黒木さん。