この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


今までよく見えなかったけれど、今日は顔がハッキリと見えた。

フードをかぶっているせいで髪型はわからないけれど、少し見える髪は茶色。

雨の中にいたせいなのか、元々なのか、色白なうえに顔色はあまりよくない。

釣り上がっているけれどアーモンド形の綺麗な目に、キリッとした眉。

鼻は高いし、唇の形もいいのに血色が悪いせいですごく残念かも。

顔色が悪くなければ、スポーツ万能そうな男前っていう印象を持ったかもしれないのに。


「……水も滴るいい男っていう表現、アンタにはないかも」

「ハハハ。それすごくひどくね?昨日会ったばかりの相手によくそんな毒吐けるな」


その笑顔は今にも消えそうなほど儚くて、なぜか急に悲しい気持ちがこみあげてきて、泣きそうになってしまった。

私は全身が濡れるのも構わずジャングルジムによじ登り、彼に傘を差しだす。

雪のように消えてしまわないように……。

目を細めて彼は微笑むと、手を伸ばして受け取ってくれた。