この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


ドアに寄りかかり、電車に揺れながらため息をつく。

灰色の風景は傘で彩られていて、少し華やかなものになっていた。

それでも、私の心は空と同じで重くどんよりとしている。

この雨はいつになったらやむのかな……。


『いいじゃん。願えば願いが叶うんだぜ?』


不意に公園で初めて出会った時に彼が言った事を思い出す。

私が帰った後、彼は流れ星を見つける事ができたのかな。

ジャングルジムにのぼってまで見つけたかったって、子どもみたい。

そんなにしてまで叶えたかった願いって何だろう。

まあ、大体予想はつくけど。

流れ星に願いをかけるくらいなんだから、好きな子と両想いに……っていうのが妥当かな。



電車をおりると、雨はいくらか小康状態になっていた。

もう濡れているこの状態じゃ雨が降っていても降っていなくてもあまり変わらない。