お父さんも先生もしつこい。
まだ諦めていないのかと吐き気がする。
私は進学でなく、就職を希望して自立したいと言っているのに。
「……もうウンザリなんですけど。その話、いつまで続きます?」
「藤村。お父さんはお前の将来を心配なさって先生に相談してきたんだぞ」
お父さんが心配しているのは私の将来ではなくて、世間体なんだってば。
何が相談よ……。
私が話を聞かないから、先生から説得してくれって泣きついただけでしょ。
「大学に進学してもその後就職するんですから、今から就職しても同じ事だと思いますけど。就職する事が将来の心配に繋がる意味がよくわからないので、私が納得できるように説明してもらえますか?」
「それは……」
「そんなに進学を勧めてくるくらいだから、先生は説明できるんですよね?」
早口でそう言うと、先生は返す言葉を失ったようだ。



