気まずそうにしながら私を避けていたのに、今日はどういう風の吹き回し?
何か裏があるのではないかと警戒してしまう。
「あれっ?川上君と一緒にいなかった?」
不思議そうな顔をしながら、ナオは辺りをキョロキョロと見回している。
ああ、目当ては川上君だったんだ?
じゃあさっき、電車の中で私が川上君と話していたのを見ていたんだ……。
ナオに聞こえないように私は小さくため息をつく。
こういう事があるから、川上君とは関わりたくないというのに。
「川上君なら降りずに電車に乗ったままだよ」
「えっ?!そうなの?!何で?!」
「さあ……?」
知りたいのなら自分で聞けばいい事だし、私がペラペラとしゃべる事でもない。
そもそも彼がおりないで、家に帰ったのか別の場所へ向かったのか、わからないし。
声をかけたのはいいけれど、目当ての川上君が電車に乗ったままだと知って、ナオはかなり気まずそうな表情を浮かべた。



