クラス中から不満そうな声が上がる。

まだ2年生だし、進路にあまりピンとこないのはみんなも同じみたいだ。

頬杖つきながら白紙の進路調査票を見つめてため息をつく。

親と相談して決めるようにとか、言ってるけれど、私には相談できるような親は存在しない。


「結月、進路決めてる?」


ぼんやりと進路調査票を見つめていたら、後ろから背中をつつかれた。

そっと振り返ると、進路調査票をヒラヒラさせながら恵茉(えま)が聞いてくる。


「……なんとなく」

「そうなの?私も目指す職業は決まってるんだけど、具体的に学校名とか書かなきゃいけないってなると、困るよねー」

「……確かに」


恵茉の言葉で調査票に視線を戻すと、進学とか就職という希望を書くものではなく、希望する学校名を記入するようになっている。

ただ、アンケート形式にもなっていて、1番の進学に丸を付けた人のみが進学を希望する学校名を記入しなければならないようだった。