写真たてはいびつな形になってしまったけれど、写真を飾っておけるほどにまで修復できた。
ところどころ欠けて見栄えは悪いけれど、誰に見せるわけでもないからこれで十分だと思う。
今度は机の上に置いておくことにした。
これなら倒れても壊れる事はない。
「結月ちゃん、これお弁当……」
写真たての事があってから三日が経過した。
相変わらずおばさんからのお弁当攻撃は続いていて、今日も私はそれを無視して学校へと向かう。
いい加減、放っておいてくれてくれないかなと嫌気がさしてくる。
一日の始まりがこれだなんて、お互いに不快でしかないのに。
駅に向かう途中、少し遠回りしてあの公園を見てみたけれど、彼の姿はどこにもなかった。
いつもここにいるからって言ったのに。
通学時間帯だし、彼だって学ランを着ていたのだから当然、学校へ行っているのだろうけれど。