『オレはいつもここにいるから』


どういう意味で言ったかなんてわからない。

ただ自分の居場所がない私にとって、その言葉はどんな意味でも嬉しかった。

ここに来てもいい……そういう風に言っているように聞こえたから。


「……はあ」


公園からずっと走って来たから、さすがに苦しい。

家の前で荒くなった呼吸が正常になるのを待ちながら、つかんでいた写真を見た。

お母さんが生きていたら、私は普通にあの男の子と並んで星を見る事ができたのかな?

夢や希望を胸に、願いをかけるために流れ星を探して……。


「結月ちゃん?!良かった、戻ってきてくれたのね?!」


写真をつかんだまま、星を見上げていたら玄関からおばさんが飛び出して来た。

慌てて写真を後ろに隠して身構える。