この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


その時、公園の奥の方から懐中電灯のような光がチラチラとしているのが見えた。

時間はもう夜の10時を回っている。

警察が見回っていてもおかしくない時間帯だ。


「あー。お巡りさん来ちゃったから帰った方がいい」


私の見ている方を彼は見ながら、そう言った。

ここで補導されてしまったら、自由に外出もできなくなるかもしれない。

家には帰りたくないけれど、外に出られなくなるよりはマシ。


「アンタは……?」

「オレは大丈夫。お巡りさんと友達だから」

「……ああ、たくさんお世話になってるって意味ね?」

「そんなワケねーだろ。ほら、早く行きな」


私を追い出すように彼は手をヒラヒラとさせている。

変な人と思いながら、公園の出口へと足を向けた。


「オレはいつもここにいるから」


私の背中を追いかけるように、その言葉は飛んできた。

だけど私は振り返らず、家に向かって走った。