……だけど、その期待は見事に裏切られた。
約束の日、お父さんが告げたのは、再婚したという事後報告と知らない女の人と女の子を家に連れて来た事……。
「……マジ最悪」
そうつぶやいて、私はベッドに横になる。
実の娘であるはずの私に何の相談もなく、新しい人を連れ込むなんて。
……もしかして、お父さんにとって私はどうでもいい存在?
私なんかより、あの親子の方が大事なの?
お父さんは、お母さんの事を何とも思っていなかったの?
それとも、もういなくなったから関係ないって事?
どんな答えが来ても、今さら、お父さんに何も求めようとは思わないけれど。
この家で家族として暮らすのなら、私はこの家を出て行くべきかもしれない。
きっと私はこの家には必要ない。
高校卒業を待って家を出るよりも、学校やめてこの家を出たほうがいいかもしれないな……。
「おーい、静かにしろー。今日配った進路調査票は家に帰って親御さんと話し合った上で記入して提出するように。まだ2年生だからって、のんびりするなよー?来年の今頃はもう進路が決まってる奴が出てくるんだからな」
帰りのSHRで先生が呼びかけた。