「そう?悩みならいつでも聞くからね。アドバイスできるかできないかは別として!」
恵茉は私とは裏腹に、明るく笑ってそう言ってくれた。
でも、心の中に広がったもやもやが晴れてくれない。
ナオは恵茉の状況を知りながらも、羨ましいと言っていた。
恵茉の顔を見ていたら、ナオの話が頭の中でぐるぐると回りそうな気がする。
「恵茉、教室戻ってて。私、用事思い出したから適当に済ませるよ」
「え、そうなの?具合悪いわけじゃないよね?付き合おうか?」
本気で心配してくれる恵茉に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
大丈夫、大丈夫と何度も言って、何とか恵茉を見送った後、私はそのまま裏庭へと移動する。
「……はあ」
ため息まじりで、板チョコデニッシュの袋を開けた。
大好きなパンなのに、食欲がわいてこない。
何か、このパンで何も無かった事にされた気がして……。
気にしないでとは言ったけれど、さすがに見当違いの罪悪感にガッカリした。
私は、ため息をついてリンゴジュースを飲みながら空を見上げた。
青い空の向こうにどんよりとした灰色の雲が迫ってきている。
「……夕立あるかも」
折りたたみの傘はカバンに入っているから、雨が降ってきても問題はない。
でも、足元が濡れたら面倒だから、できれば雨にあわないで帰りたい……。



