彼に二物も三物も与えるなんて、神様はなんて不公平な事をするのかと正直思った。
別に彼のように人気者になりたいわけじゃない。
ただ、川上君が持っているものをほんのちょこっとだけ分けてもらえたらって思うんだ。
私が欲しいのは、ささやかな幸せ。
お母さんが生きていた時は、それがあった。
でも、今はそれがない……。
「結月、本当にごめんね!」
「ナオ……」
足早に購買から戻ってきたナオが申し訳なさそうに手を合わせて謝ってきた。
私は静かに首を横に振る。
「本当に気にしないで。知らなくて当たり前の話だし、仕方ないよ……」
「これ、結月が好きなパンだよね?はい」
ガサゴソと音をたてて、紙袋の中からパンを一つ取り出した。
板チョコの入ったデニッシュ。
「それと、これも」
手首にぶら下げていたレジ袋の中から、紙パックのリンゴジュースを取り出したナオ。
「こんなんじゃお詫びにならないけど」
「ナオ……。本当にいいんだって」
私の言葉にナオは首を横に振りながら、取り出したものを私に押し付ける。



