私の心の闇を聞き出して、救い出してくれた人。
私もそんな人になりたいと思ったんだ。
誰にも打ち明けられなくて、ひとりで闇を抱えて苦しんでいる人の力になれたらって。
リツの苦しみを見抜く事ができなかったから、余計にそう思うの。
自立をするよりも大変だろうけれど、今の私はきっと負けない。
リツがいてくれるし、家族だっていてくれるから……。
「すごいな。出会った頃の結月とは大違い」
「……悪かったね」
茶化すリツにプッと頬をふくらませた私。
あの時は、夢や希望を持つなんて無駄だって思っていたから……。
何度も言うけれど、リツと出会ったから私の世界は変わっていったんだよ。
「リツは進路どうするの?もう心は決まってそうだって川上君は言ってたけど……」
「結月と全く同じ目標だよ」
「え……?」
リツも臨床心理士……?



