この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


その中には私を囲んで因縁付けて来たナオのグループの子たちもいて、どうなのかなって思ったけど黒木さんは諸手を挙げて大喜びだったから何も言えなかった。

ナオもバスケ部と掛け持ちで活動すると言って、入部はしたけれど恵茉同様、なかなか参加はできていない。

ほぼ川上君目当てで入った子、総勢27名となった料理部が新しいスタートを切ったけれど今のところ特に何の混乱も起きていない。

それに今は純粋に料理部を楽しんでいる子でいっぱいとなって、いい雰囲気だし。

作った物はその場で食べてもいいし、誰かにプレゼントしてもいい事になっているんだけど、川上君は自分の作った物を誰にもあげずに家に持ち帰り、家族にふるまっているらしい。


「弘貴はパティシエを目指すとか言ってたな……」

「そうなったらすごいね。川上君ならとことん極めそうだし」


やるからには何が何でも達成しそう。

中途半端は嫌いそうだし。


「……結月は?志望校決めたんだろ?」

「うん。臨床心理士を目指そうかなって考えてるんだ」


たどり着くまでの道が、簡単な事じゃないってわかっている。

でも、そのきっかけをくれたのはリツだったから。