この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


加害者の親たちは事実無根だとしばらく騒いでいたけれど、私の記録した動画と加害者本人たちが認めたために最後は魂が抜けたように憔悴しきって頭を下げるばかりだった。

何とか穏便に済ませて欲しいとか、未来ある子どもが……とか色々言われたけれどお父さんは頑として譲らなかった。


『うちの子の未来を奪うような真似をしたのはそっちじゃないか!』


この言葉でもう誰も何も言えなくなった。

えみりはお父さんに感謝して、今は私と同じ高校に入学できる事を夢見て必死に勉強を頑張っている。

時々、私も勉強を教えてあげている。

血の繋がりはないけれど、姉妹らしくなってきたんじゃないかな。


「弘貴と同じ部活で大丈夫か?嫌がらせとかないの?」

「……それがさ」


リツの問いかけに私はフフッと笑ってしまった。

料理愛好会は無事に料理部に昇格し、黒木さんが部長となった。

そして全会一致で川上君が副部長となり、その噂を聞きつけた女子が料理部に殺到するという事態に。