この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


事故に遭ってから一ヶ月も意識不明だったというのに、意識を取り戻してからは特に何の異常もみられなかった。

リツは一週間で退院して、今は学校にも復帰している。

違う学校なのが寂しいけれど、放課後にこの公園で待ち合わせという日課は変わっていない。

変わったのは、リツにぬくもりがある事と、血色のいい顔。

あと、健康的な体つきになってくれた事かな。


「ごめんってば。リツだって補習授業だったんでしょう?」

「まあそうなんだけど」


一ヶ月も学校を休んでいたから、先生たちが放課後に補習授業をしてくれているらしい。

家に帰れば優秀な家庭教師である川上君がいてくれるから、何の問題もなさそうだけどね。

リツも家族と上手くいったみたいだし。

川上君は淡々と話していたけれど、私にとって川上家の事情は衝撃的だった。

話を聞いたリツは私以上に衝撃的だったらしく、退院してすぐに父親を殴ってしまったらしい。

川上君曰く、体力も筋力も落ちていたせいで蚊が止まるようなパンチ力だったみたいだけど。