この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


「何度も何度もお願いして良かったー!これで料理部に昇格できる!」

「……うん。願えば叶う事もあるんだね」


星に願うなんてバカバカしいって最初は思っていたのに。

私も強く願った事が叶った。

宇宙のチリが叶えてくれたとは思えないんだけどね。


「藤村、ちょっといいか?」

「……はい」

「あ、じゃあ藤村さん。放課後、調理室でね」


先生に声をかけられたので、黒木さんが手を振って教室の方へと行ってしまった。

彼女の後ろ姿を見送って先生の方へと向き直る。


「お父さんからさっき電話をもらったんだが、進学希望に変えたそうだな?」

「……はい」


もうひとつ、変わった事がある。

それは私の進路希望が就職から進学へと変更になった事。

父親への反発心から一刻も早く家を出たいとずっと願ってきたけれど、昨日進路について初めて話し合ったんだ。