料理愛好会に入ろうと決めたのは私の方が先だった。

元々、黒木さんに誘われていた経緯もあった事だし。

入ろうと決めた理由はリツが好きだというクッキー。

ハンドタオルのお礼にと川上君にもらって食べたら、本当に美味しかった。

血の繋がりはない母親の作るクッキーが好きだとリツが言うのだから、喜ばしい事なんだけど、私もリツのためにお菓子を作れるようになりたいと単純に思ったんだ。

だって、彼女になったのだから。

そう思って昨日、リツのお見舞いから帰る時に病院の入口まで送ってくれた川上君に何気にその話をしたら、自分も入部すると言い出した。

お母さんの負担を減らすために手伝った事がきっかけで、お菓子作りの世界をもっと見たくなったらしい。


「大歓迎だよっ!わー、放課後がすっごく楽しみだよっ!気合い入っちゃうなー」


目をキラキラと輝かせ、頬を紅潮させる黒木さん。

本当に嬉しそうで見ている私まで嬉しくなってしまう。