部員が集まったらもっと……。

パタンと靴箱を閉めて、私は黒木さんに向き直る。


「黒木さん。……良かったら、私も入れてもらえないかな?」

「えっ?」

「一度は断ったんだけど……料理愛好会に」


そう言った私に、黒木さんは花が咲いたように嬉しそうな笑顔で大きくうなずいた。

そして両手で私の手を取って強く握った。


「もちろん大歓迎よっ!どうぞよろしくね!」

「よろしく……ね」


黒木さんにつられて、私も笑った。

それは本当に自然な事で。

今までだったら、こんな風に笑おうだなんて思いもしなかったのに。


「それと、入部希望者もう一名いるの」

「……そうなのっ?!」


私が人差し指をたてて言うと、黒木さんは興奮気味に聞き返してくる。

その姿にクスッと笑ってしまった。


「男子だけど大丈夫?川上君なんだけど」

「川上君って……あの川上君?!」


私の言葉に、彼女は相当驚いたようだった。