「おはよう、藤村さん」


月曜日の朝は眠気がなかなか抜けてくれない。

あくびをしながら昇降口で上靴に履き替えていると、ポンと背中をたたかれた。

顔を上げると、ニコニコと笑う黒木さんの姿がそこにある。

いつも笑顔ですごいなと感心してまじまじと見つめてしまった。


「おはよう……」

「藤村さん、一昨日の流星群見た?すごい綺麗だったよね。私、欲張って願い事たくさんしちゃった」

「……何をお願いしたの?」


あまりに楽しそうに言うから、聞き返してしまう。

私もたくさん星に願ったし、仲間意識がちょっと沸いたから。


「……部活になりますようにって」

「部活?」


黒木さんはコソッと小さな声で言う。

部活になりますようにって何だろうと一瞬思ったけれど、料理愛好会の事だとすぐに理解した。


「今のままでもじゅうぶん楽しいけれど、やっぱり部員が集まったらもっと楽しいかなって思ってね」