「……結月、好きだよ」
今度はハッキリと私の名前を呼んでくれたリツ。
握り返してくれる手のあたたかさと力強さはウソじゃない。
「えっ……?」
涙でぐしゃぐしゃの顔のままリツを見ると、穏やかな笑みを浮かべていた。
どんなに気持ちを口にしても、応えてくれなかったというのに。
「本当はずっと好きだった。けど、応えられないまま泣かせてゴメン」
「……いいよ」
こうしてリツが戻ってきてくれた事が嬉しいから。
そして、ここから一緒に歩いて行けるっていう事だよね……?
これからもずっと私のそばにいてくれる……。
そう思っていいんだよね?
「願い、叶ったって思っていいんだよね?」
「ん……?」
「リツとこれからずっと一緒に、生きていきたいっていう願い」
私が問いかけると、リツはゆっくりとうなずいた。