この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


意識を取り戻してすぐにまた意識を失うんじゃないかと思ったから。

すると私の手を握り返したリツ。


「……結月、もう大丈夫だから」

「本当に……?最期に会いに来たとかそういう事じゃなくて……?」

「……ああ」


もうどこへも行って欲しくなかった。

私にキスをした後、突然消えてしまったリツ。

あの時は胸がつぶれるかと思うほど苦しくて、公園内を探し回ったんだよ……?

もう二度とそんな思いはしたくない。


「あったかいね……」


ジャングルジムの上で触れた時は、体温を感じなかったのに、今はすごくあたたかい。

リツは確かに生きている。

あの冷たさはどこにもない……。


「……もうどこにも行かないでよ。お願いだから、私を置いていかないで」


その手にすがりつくようにして、私は泣き出してしまった。