「最近、小言が多くてウザいんだよ。恵茉はお母さんが夜勤だっていうから、顔を合わせる事が少なくてうらやましいなー。私なんて顔を合わせたら宿題やったの?帰り遅いんじゃない?スマホ使い過ぎでしょ!……だもんねー」
宿題をやれとか、帰りが遅いとか、スマホ使いすぎとか……。
口うるさくて困るって言うけれど、そんなのはナオがきちんとすれば言われる事のない事ばかり。
それに、そんな事を言ってくれるお母さんがいるのなら、私にとってはすごいうらやましい話だし。
「私は絶対にあんなに口うるさい大人にはなりたくないなー。ね、結月もそう思わない?」
「……そうだね」
ナオのためを思って言ってくれてるのに……なんて、言えない私も私だ。
波風立ててもめるような事はしたくない。
めんどくさいのは学校ではいらない……。
「本当、マジウザいと思わない?消えて欲しい」
消えて欲しい……。
私のお母さんは、望んでいなかったのに私の前から消えた。
お母さんだって消えたくて消えたわけではないはず……。
ナオの言葉に、私は頭の中が真っ白になった。



